生産者さんの想いを伝える!スマートレポ 〜静岡県産自然栽培米編〜

スマートレポ

スマートは、生産者さんの強いこだわりによって作られた食材を取り扱っています。全国の生産者さんに会いに行き、情熱をもってつくられた食材を皆さまに知ってもらうスマートレポ!

今回は、静岡県焼津で「自然栽培米」を通してサスティナブルを体現する杉本さんのご紹介です!!

ありのまま農法

静岡県焼津市にある杉本農園にお邪魔しました。杉本さんの田んぼは、南アルプスを源流とする大井川の水を使い、自然のまま、ありのままで米作りをしています。

温厚でとても優しい杉本さん。お米の豆知識から田んぼの秘密まで教えていただきました。

杉本さんがこだわるのは「ありのまま」を貫くこと。農薬を入れた田んぼにカエルや虫などの生き物がいなくなることに気づき、生き物がいない田んぼで作るお米は食べたくないと思ったといいます。

安心して使えないものは使いたくないとの想いから、農薬や化学肥料だけでなく、有機肥料も使わない自然栽培に辿り着きました。

また、その歴史は深く、30年以上も前からこの農法を貫いているといいます。この農法を続けてきたおかげで、少しずつメダカやドジョウなどの生き物が住み着くようになり、小さい頃に遊んだ田んぼの景色が戻ってきたと嬉しそうに話してくれました。

※田んぼに住み着く生き物を観察する杉本さん。

社会的に求められる自然栽培米

杉本さんの自然栽培とは、田んぼに生息する全ての生き物たちとお米を一緒に生かします。

除草剤を使わず雑草を生やせば、稲ではなく雑草に虫が棲み、それをカエルや蛇が食べます。そうして小さいものが大きいものを食べ、それぞれの死骸やフンを微生物が分解して肥料になります。

このように自然循環によって本来の生態系も崩さず、地球に優しいお米を作ります。これからの飲食店に求められる「持続可能」な農法のお米です。

植物のたくましさを引き出す

ありのままで育てた稲は、植物本来のたくましさ・強さがあり、ほとんど病気になることはなく、手をかけずとも健やかに育つといいます。杉本さんの育てる稲は、扇型に広がるように育ちこれがパワーがある証拠とのこと。また、生き物が戻り、生態系があることによって田んぼの地力も豊かになったと話してくれました。

除草剤を使わないため、雑草対策に苦労しているものと思っていましたが、土の起こし方、白かき、水管理をうまくコントロールできれば、草の管理は非常に簡単だと笑顔で話す杉本さん。

日本古来の原種「朝日」と「亀の尾」

杉本農園は、日本古来の原種【朝日】と【亀の尾】を主に育てています。【朝日】はササニシキの原種、【亀の尾】はコシヒカリの原種です。味のよさから大正時代に広く栽培されていました。

しかし、農薬肥料を使う現代的な農法に合わず栽培も難しいため、徐々に姿を消していき、今では生産している人はごく僅か。また病気にも弱いお米です。手はかかりますが、お米本来の味わいがあり、生命力の強いお米です。杉本さんはありのまま育てますが、苗の植え方、風通しの良さ、水の管理を徹底し、お米が美味しくなる事は全て行います。

安全で健康的な日本人が愛したお米

昨今のお米は、品種改良によりアミロースが大幅に少なく、生活習慣病などを引き起こすリスクがあると言われています。そこで現在、昔の日本人が愛した自然栽培でないと作れない原種のお米が注目されています。

杉本さんの自然栽培米は、国で安全だと言われている農薬も使用しません。栽培期間以外や、種の消毒でも薬品に頼りません。国の職員の方から、ここまで徹底したこの農法を表す適切な言葉はないと言われるほど。他では作れない希少な安心安全のお米です。

さいごに

杉本さんのこれからの展望と、熱い思いを聞きました。

杉本さんは言います。まず、焼津のお米農家を救いたい。焼津近隣の農家さんがどんどん辞めてしまい、何かを変えないといけないと行きついたのが自然栽培でした。孫、ひ孫の先の代まで体に良いお米を作り続けるためには、安心安全な環境づくりとこだわりの農法。このやり方を広め、今では希少となった昔ながらの原種を育て、焼津農家全体を盛り上げていきます。

そのために持続可能な無農薬、無肥料の農業にこだわっている。杉本さんは、今後も田んぼにいる様々な生態系と共生し続けていきます。

タイトルとURLをコピーしました