こだわりの和牛を扱う会社の社員が運営する、牛肉情報局。「ほぼ」毎日牛肉を扱い、お客様に提案する肉のプロ。
「肩ロース」のご紹介!
ロースって肩以外もあるよね?
ロースとは
「ロース」の語源は「ロースト(焼く)」つまり、焼いて食べるとおいしさを感じられる部位です。一口に「ロース肉」といっても、実は「肩ロース」「サーロイン」「リブロース」という三つの部位に分けられます。
サーロイン
「サーロイン」はやわらかく風味に優れ、お肉そのもののおいしさが味わえます。あまりにおいしいので「サー」(Sir=男性のナイト)をロインの前につけたという説もあります。詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
リブロース
「リブロース」の「リブ」とは、ろっ骨やあばらという意味。サシが入っていて柔らかく、きめ細かい肉質で、スジが少なく脂の濃厚な旨みが感じられるため、ステーキに向いています。「リブロース」については、また近々、牛肉情報局にて詳しく書きますね!
肩ロースとは?
肩から背中にかけての首に近い部位です。
関西では、「クラシタ」英語では、「チャックアイ」と呼ばれることもあります。
呼び方が違うんだね!
ネックとリブロースの間にある肩ロースは昔、牛に鞍を乗せていた場所だから「クラシタ」と呼ばれるそうです。
牛の肩ロースは、部位の中でとても大きな部位で分割前のバラ肉を除いて重量なんと20kg〜30kg!
デカっ!
ネックに近く良く動かす部分は硬い一方で、リブロースに近くなるごとにサシが入る部分もとれます。赤身の味の濃さが特徴的な部位です。
全体的に見るととても大きいので、肉質が両端で変わってしまうことも不思議ではありませんね。
「ネック」については詳しくはこちら
魅力的な希少部
肩ロースにはザブトン(ハネシタ)や肩ロース芯といった魅力的な部位があります。
それぞれ大きな肩ロースを細かく分割した際にとれる部位です。
ザブトン
かなりポピュラーで知っている方も多いと思います。肩ロース肉全体を支えるような位置にあることからザブトンと言われています。
見た目・味・食感共に良く、まさに焼肉用では王様です。霜降りが豊かで、ロースよりも高評価をつけるお店もあります。
肩ロース芯
その名の通り、肩ロースの芯にあたる部位です。肩ロースの半分(ネック側)はシチュー用、真ん中は焼肉用に使います。なのでステーキに使える場所はほんの一部。
ロース芯ブロックは少しずつロース芯が細くなっていきます。ステーキとして取れるのは3〜4枚程度しかないのです。
少なっ!
しかし、お肉屋さんなどは基本的に肩ロースは細かく分割したがりません。
技術的にできるできないは置いといて、細かく割ると高く売れるのはザブトンと肩ロース芯だけで、他の部分は小間切れくらいにしかなりません。
つまり、ザブトンや肩ロース芯は大変希少なのです。
肩ロースの特徴
適度に脂肪を含み柔らかく、赤身の旨味が濃いのが特徴です。
霜降りが適度にあり風味がよい。濃厚な旨みをより引き出すために、薄切りで食べることが多く、大きな判が取れるためすき焼きなどにお勧めの部位です。
「肩ロース」は横に長く、場所によって肉質が全く異なるので、ネック側・真ん中・リブロース側の3つに分割した場合の特徴も解説します。
ネック側
首側のネックに続く部分にあるお肉で、赤みが強くスジ張っていて肩ロースの中では硬い部類です。
“肩ロースは硬い”という印象のある方はこの部分が多く入っていたものを食べられたかもしれません。
きちんとスジを取ったりスジ切りをすることで食べやすくなり、ネックに近いということはネックのように味が濃くなっているということなので、赤身が好きで肉の旨味を味わいたい方にはお勧めの部分です。
硬いと言ってもリブロースのようにとろけるような柔らかさではないというだけで、しっかりサシもあり、ウデやモモのような赤身肉よりだいぶ柔らかいです。
薄く切ればしゃぶしゃぶやすき焼きなどで美味しく食べることが出来るため、ネックのようにブロックで煮込んだりはしません。
真ん中
赤みとサシが程よく入り交じるバランスのいい部分です。
多少のスジがありますが、薄切りにすることでしっかりとした肉の味を楽しみながら美味しくいただけます。
希少部位ザブトンはこの部分に多く入っていますので、霜降りの味も堪能することが出来ます。
リブロース側
かなり柔らかくきれいなサシが入っています。
隣にある“リブロース”とほぼ変わりない肉質で、肩ロース芯が一番多く含まれている部位です。
肩ロースを購入する際の選び方
スーパーやお肉屋さんなどで購入する際、ネック側だけ・リブロース側だけという販売の仕方はやっていないので、サシの入り方を見て購入することをおすすめします。
購入する方の好みによっても変わってくるので、赤身がいい、脂ののった牛肉がいいなど分かれると思います。
場所によって肉質が変わるため、肩ロースの代わりの肉を選ぶ際には赤身肉が好きな方やダイエット中などの高タンパク・低脂質を求める方には“肩”や“肩もも”を、サシが入り脂ののった味わいを楽しみたい方は“リブロース”などをおすすめします。
オススメの食べた方
肩ロースに合った料理は、焼肉やステーキ以外でも多様で、すき焼き、しゃぶしゃぶ・肉じゃが・やすき焼きなど煮込みにもよく合います。
大判のスライスで召し上がっていただきたい調理方法は、しゃぶしゃぶ、炒め物、肉じゃが、しぐれ煮、味噌漬け、すき焼き、炙りなど。
こちらの大判スライスは煮込み料理にすることで牛肉の旨みがギュッと出て美味しくなるのでオススメです。
まとめ
- 肩ロースは20kg〜30kgと大きな部位。
- ネック側〜リブロース側に向けて肉質が異なり、肉の味わいを多岐に楽しむことができる。
- 赤身の旨さと霜降りのやわらかさと甘みの絶妙なバランスを併せ持つ肩ロース。
スマートおすすめは、すき焼きやしゃぶしゃぶです。
肩ロースを是非ご賞味下さい。