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今回は、静岡県掛川市で有機JAS認定・「オーガニック野菜」を年間50品目栽培している大角さんのご紹介です!!
有機JASの野菜を使わないとオーガニックと表示できない!?
約5ヘクタール(東京ドームと同じ広さ)の自社農園で、農薬と化学肥料を使わないオーガニック野菜を育てる大角さん。オーガニック野菜として販売するためには有機JAS認証が必要で、無農薬という表記も法律違反なんだと熱弁する大角さん。
「よく珍しい野菜はありますか?と聞かれるけど、有機JASがないとオーガニックも有機野菜も名乗れないので、有機JASの野菜そのものが市場にない珍しい野菜なんですよ」と教えてくれました。
大角さんは、農薬を使用しないことは「結果」だと言います。虫や病気に負けない野菜を工夫してくくることで、結果的に野菜が強くなり、農薬を使用する必要のない、味の濃い野菜が作られるのです。
有機JASの有機野菜畑って日本の0.2%
有機JASで認証されているオーガニック野菜は日本の0.2%の畑でしか作られていません。農薬を使用していない農場は生物多様性に富んでいます。農園にはカエルやオケラ、野うさぎなどが顔を出します。環境を破壊しない持続可能な農業です。冬でも自然の中で育てているので暖房用の二酸化炭素を排出していません。有機JAS野菜は、SDGs環境に関心のあるお客様へ最適な野菜です。
GAP認証、コーシャ認証も取得
大角さんの農園では、オーガニック(有機野菜)であることを保証する「有機JAS認証」、食の安全や環境保全に取り組んである証しである「JGAP認証」、アメリカやヨーロッパで食の安全の目安として信頼されている「コーシャ認証」を取得しています。
▷有機JAS認証
農薬を使っていないことと、有機野菜(オーガニック)であることは異なります。「有機野菜」や「オーガニック」と表示できるのは有機JAS認定の野菜だけです。農薬や化学肥料を3年以上使用していないこと、遺伝子組み換えの種子を使っていないこと、適切な有機肥料を使用していること、農場や施設や用具に農薬や化学肥料の飛散や混入がないことなどを、農林水産省に登録された認定機関により書類審査と実地検査を受け、1年に1回以上の調査に合格して初めて有機JAS認証を取得できるのです。
▷JGAP認証
JGAPは食の安全や環境保全に取り組んでいることが確認された農場に与えられる認証です。残留農薬検査や水質検査や土壌検査を実施し、農場や出荷施設を整備し、トレーサビリティー(栽培履歴や出荷記録)を整え、農林水産省に登録された認定機関による調査を毎年実施しています。
▷コーシャ認証
コーシャ認証は旧約聖書の教えに即した、カシュルートと呼ばれるユダヤ教の食の規定です。「コーシャ」とはこの食事規定で「食べて良い食物」のことを意味します。
アメリカやヨーロッパでは、ユダヤ教のラビ(聖職者)による厳正な審査に合格した「コーシャ認証」マークが、その判断基準が細かく厳格がゆえに、宗教に関係なく、商品の品質の安全性に関する目安として信頼されています。
東京オリンピックや王将戦の勝負飯に食材を提供
工業製品におけるISOのように、農産物にはGAP認証が求められています。このGAP認証は「食の安全」「環境保全」「労働安全」の公的な認証です。オリンピック・パラリンピックでは、GAPを取得していることが食材提供の条件になっています。国や世界が認める安心・安全な野菜です。
実際、東京オリンピックの選手村でも、大角さんの野菜が食べられました。選手たちの活躍の裏には、大角さんの野菜がありました。
オーガニック栽培のコツ
大角さんの育てる野菜は、温室やハウスとは違う「密閉空間ではない露地栽培」です。
株と株の間を広くとり、風通しをよくした「密集させない栽培方法」で病気を防ぎ、東京ドームと同じ広さの農場で「密接しない栽培管理」を行っています。
インフルエンザで学級閉鎖になりそうな時でも、半ズボンで元気な子供がいますが、野菜も同じで、農薬や化学肥料を使わなくても元気でいる、そんな野菜を育てています。
さいごに
大角さんは、エシカル(倫理的)でサスティナブル(持続可能)、人と環境に優しい農業を追求します。太陽の光を浴びて、風に吹かれて、鳥の声を聞きながら、動物や虫たちとも共生している「環境保全型農業」を進めています。
オーガニック野菜は化学肥料を使わないので、あまり大きくならないし、形もバラバラです。農薬を使わないので、虫にかじられた跡や穴があることもあります。しかしそのことで、野菜本来の生命力で育ち、栄養価が高く味が濃くて旨味の強い野菜を作り続けます。